スポットワークの健全な発展を推進し、国民の幸福度向上に寄与する。
当協会は、スポットワーカーを取り巻く環境の調査及び研究を行うとともに、
労働行政に協力し、関係機関及び会員相互の緊密な連絡協調をはかり、
日本におけるスポットワークの健全な発展に寄与し、多様な働き方の定着とそれによる
国民生活の充実に資する存在となることを目指します。
- 代表理事 米田光宏
このたび、大手スポットワーク募集情報等提供事業者が中心になり、一般社団法人スポットワーク協会を設立いたしました。
今日、業界のみならず労働市場を取り巻く環境は大きく変化しています。新型コロナウイルスの感染拡大とその影響は、短期単発で働くスポットワーカーの急増に繋がりました。就労意識と就労形態の多様化はやむを得ず進み、また、企業も生産性を向上させる一つの打ち手としてスポットワーク活用を推進。この傾向は、人口減少・少子高齢化が進む日本において今後も続くと考えられます。2025年には500万人を超えると予想されるスポットワーカー。スポットワークという働き方、雇用の在り方はこれからの労働市場を牽引する大きな力となる事は間違いありません。
その反面、スポットワーカーとして働く個人、スポットワークを活用する企業それぞれに
大きな課題が顕在化してきている事も事実です。
働く個人が持つリスク、雇用する企業が持つリスク、そして労働市場の本質的課題や、税と社会保障という観点では国家という枠組みまで通じる社会課題に対し、そのマッチングに関わる私達スポットワーク募集情報等提供事業者が、正面からその課題に取り組む事は必然であると考えております。
健全なイノベーションが、健全な市場成長を実現する。その成長を通して、国民の幸福度向上に寄与する事を理念に掲げ、当協会を立ち上げ、運営してまいります。
是非その理念をご理解いただき、一層のご支援をお願い申し上げます。
- 理事 鎌田耕一
(東洋大学法学部 名誉教授)
単発・短時間で仕事をする人たちは、スポットワーカーまたはギグワーカーと呼ばれています。こうした人たちは、雇用されて働く人もいますが、雇用によらない形で働く人もいます。スポットワーカーを仲介するサービスも拡大しています。こうした働き方は、自由にいろいろな仕事を経験できるというメリットもありますが、予想した仕事ではない、働く条件が違っているといった問題が指摘されています。
本年2月1日に、職業安定法の改正を含む雇用保険法等の一部を改正する法律案が国会に提出されました。改正法案は、募集情報等提供事業の届出制などいくつかの重要な内容が含まれていますが、スポットワークを仲介する事業の一部にも適用されることが予想されます。
スポットワーカーに安心・納得して仕事をしてもらうためには、個々の雇用仲介事業者が、この業界の健全な発展に協力し、多様な働き方を定着させるよう努力することが重要だと考えます。
スポットワーク協会設立の目的は、まさに、スポットワーク市場の健全な発展と多様な働き方の促進を通じて、国民経済の発展に寄与することにあります。本協会はそのために、スポットワークの在り方について調査研究を行い、必要に応じて政策提言などを行う予定でおります。関係する企業、団体、個人の皆様には本協会設立の趣旨を理解いただき、応援していただければ幸いです。
- 理事 大友潤
パーソルグループは、多様な価値観を持った個人に向き合い、一人ひとりのはたらき方・生き方を応援し続け、新たな価値の創造を通じ社会からの期待に応えること、そしてすべての“はたらく”が笑顔につながる社会を目指しています。その中で、グループの新サービスであるシェアフルというスポットワークマッチングプラットフォームを2019年より開始し、個人・法人にとって誰しもが始めやすく非常に柔軟性の高いはたらき方をより安心・安全に提供すべく、サービスの改善を進めて参りました。
スポットワークというあたらしいはたらき方は、人材サービス業界が提供している「求人広告」「職業紹介」「人材派遣」の枠組みを超え、税・社会保障制度とも密接に関連し、社会課題として解決すべき非常に重要なテーマとなっていきます。
この社会課題に向き合うためにも、プラットフォーム提供事業者単独ではなく、各事業者共同で当協会を設立し、はたらく個人・利用企業の保護や、増加傾向のプラットフォーマーの適正化へ向けた整備などを行うことで、スポットワークというはたらき方が一般的なものとなり、より一層労働市場全体の活性化・課題解決へ寄与することを目指してまいります。
- 理事 武井繁
2008年(1憶2,808万人)をピークに減少に転じた我が国の総人口は、ここに来て加速度的にその減少度合いを強めており、100年後には江戸時代の人口水準に逆戻りすると予想されています。このような状況下において「一人が一社で一生涯働く」形の従来の雇用慣習だけではなく、様々な立場・状況の方々が、個々の事情に合わせて多様な職場・職種・働き方を随時選択できる社会の実現が今、求められています。
また、多「職場・職種・シフト」対 多「人材」となるその社会では、就業・雇用管理における新たなテクノロジーの活用が、これまで以上に不可欠になって参ります。
当協会において議論・検討し解決・実現して行くべき事項は多岐に渡り、且つ迅速性が求められています。
弊社は、有期雇用向けATS(応募者管理システム)を始めとする、採用・雇用管理関連の各種ソリューションをご提供する中で、様々なDXノウハウと、多様な働き方に関するビッグデータを蓄積して参りました。それらをベースに、当協会を通じて関係各位と共に、多様な人々が幸せに暮らせる社会の実現に向け努力して参ります。
- 理事 小川嶺
タイミーは、スポットワークという新しい働き方が、ユーザーの皆様の人生の可能性を広げるきっかけとなり、ひいては日本の人手不足をはじめとした労働に関する諸問題の解決に貢献できると考え、日々事業に邁進しております。
当社が掲げる「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」のミッションの実現のために、これまでも行政や有識者の皆様のお力をお借りしながら、適正化を進めてまいりました。志を同じくする本協会の各事業者や有識者と共に、ユーザーの皆様のより一層の安心安全を担保するべく、真摯に取り組んでまいります。
- 監事 中野雅之
スポットワークという働き方については、労働者及び企業の双方にニーズがあり、今後一層の拡大が見込まれます。これに伴い、デジタル技術を活用してスポットワーク情報提供事業を行う者の役割も今後ますます重要となります。
とはいえ、スポットワークの募集情報等が正確・最新の内容でなかったり、虚偽又は誤解を生じさせる表示がなされていたりすれば、また、個人情報が適切に取り扱われなかったりすれば、利用者は安心してサービスを利用できず、スポットワークの健全な発展につながらないでしょう。
このような状況の中、令和4年通常国会において、募集情報等提供事業者を労働市場における需給調整機能の一翼を担う者として位置付けるとともに、募集情報等提供事業者が依拠すべきルールを明確化すること等を内容とする改正法案が提出されています。
これに歩調を合わせて、スポットワーク情報提供事業者が、自主的にスポットワークを巡る諸課題に対処し、スポットワークの適正化、健全な発展を推進するため、スポットワーク協会を設立したことは、誠に意義深いものがあると考えます。
スポットワーク協会の活動が、スポットワークの健全な発展に寄与することを願っています。
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